今回見つかった原稿。昭和天皇が和歌推敲(すいこう)に使ったとみられる=迫和義撮影 逝去から30年の節目を前に、明らかになった昭和天皇の直筆とみられる罫紙(けいし)29枚。晩年、御製(ぎょせい、和歌)をつくるためにつづったものと考えられる。確認できた252首の歌からは、平和や家族、自然を思う気持ちがにじむ。 昭和天皇の歌、磨いた跡見つかる 側近の「清書」に朱字 人柄にじむその直筆 昭和天皇、激動の半生は歌と共に 昭和天皇、晩年まで抱えた悲しみ 半藤一利氏が見た直筆 罫紙から確認できた歌の数々を紹介します。 今年の此の日にも又●(●は立へんに「青」の「月」が「円」の字)國のやしろのことに(て)うれひはふかし(うれはしきかな)
靖国神社をめぐり「うれひはふかし」と詠んだ歌もあった。1986(昭和61)年頃の作とみられる=迫和義撮影 これは「今年も八月15日に●(●は立へんに「青」の「月」が「円」の字)國神社の問題起る」と前置きして記されている。前後の記述から1986年8月に書かれたとみられる。「昭和天皇実録」などによると、後に以下のように整えられて発表された。 この年のこの日にもまた靖国のみやしろのことにうれひはふかし 靖国神社をめぐっては85年8月15日、中曽根康弘首相(当時)が首相として初めて公式参拝した。中国や韓国などからの批判が強まり、翌86年は首相の参拝が見送られた。中曽根首相はこの年の8月15日、A級戦犯合祀(ごうし)に対する改善策を検討中だと答えている。 昭和天皇の歌の相談役を務めた… |
靖国をうれい、皇后をおもう 罫紙に心つづった昭和天皇
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