整理回収機構による差し押さえを妨げるために資産を隠したとして、警視庁などは11日、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)系の保険会社「金剛保険」(本社・東京都荒川区)の社長(69)=同大田区=と役員(54)=同葛飾区=の男2人を強制執行妨害目的財産損壊等の疑いで書類送検し、発表した。2人とも容疑を認めているという。
捜査2課によると、2人は整理回収機構の申し立てを受けて裁判所が同社の資産の差し押さえを決めた直後の2016年12月下旬、支社名義の六つの預金口座から計約820万円を引き出して隠した疑いがある。支社員に引き出しを指示していたという。
整理回収機構は02年に解散した朝銀東京信用組合の金剛保険に対する約10億円の債権を引き継ぎ、回収を進めていたが、この過程で同社が預金を隠していた疑いが浮上。警視庁などは17年12月、本社や全国の支店など約30カ所を家宅捜索していた。
登記簿や捜査関係者によると、金剛保険は1977年設立。在日朝鮮人向けの損害保険代理業などを行っており、朝鮮総連の影響下にあるとされる。