海上自衛隊は9日、最新鋭哨戒機P1の新年の初訓練飛行の様子を朝日新聞など一部の報道機関に公開した。P1は、厚木基地(神奈川県綾瀬、大和市)だけに配備されている純国産機で、海上防衛の主力。12月には韓国海軍艦艇からレーダー照射を受けた。政府は今後、全国に配備する方針で、「武器輸出」の大型案件にも位置づけられている。基地の地元では、運用などの影響を注視する。
P1は機密の高さから、通常は体験搭乗を許可されていない。試験運用開始から6年。新年初訓練飛行にあわせ、今回、搭乗取材が一般の報道機関に初めて許可された。だが、機内撮影は禁止。スマホなど電子機器類は持ち込まぬよう求められた。
午前10時、厚木基地を3機編成の最後に離陸。後部座席で上昇と旋回を体感した。よく晴れ、風は強い。揺れや衝撃は予想外に小さく、通常の旅客機程度か。機内では、隊員らと普通に会話できるほど静かだ。
相模川沿いに南下し、平塚から相模湾上空へ。横浜ランドマークタワーや江の島を見ながら、高度5千メートルまで上昇。小田原付近を越え、約20分で富士山周辺に到着した。雪をかぶる霊峰は陽光を受け輝いている。
機内は操縦室のほか、戦術員や…