米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)に配備されているイージス艦が、整備のため横浜市中区の民間工場に入った。米艦船の整備は米軍基地内で行うのが通例で、民間工場に入るのは異例。在日米海軍は「基地の外での修理受け入れ能力を拡大する構想の一環」と説明している。平和運動に取り組む人たちからは「横浜港の軍事化につながる」との懸念の声もあがる。
整備を受けるのは、米海軍の誘導ミサイル駆逐艦「ミリウス」。19日、本牧海づり施設や南本牧ふ頭に近い、横浜市中区の三菱重工業本牧工場に着岸した。
米艦船の整備は、日本の民間会社が請け負うこともあるが、作業は横須賀や佐世保(長崎県)などの米軍基地内で行われてきた。
ミリウスが民間工場に入ったことについて、米海軍は朝日新聞の取材に「基地の外での、修理や近代化改修の受け入れ能力を拡大する構想の一環」と説明。「第7艦隊の即応性を維持する」ためで、ミリウスが最初の事例だという。
今後の計画や見通しは明らかにしていないが、「新しい産業パートナーを育て、長期的な受け入れ能力拡大を目指す」とし、民間施設での整備を長期的に続けることも示唆した。
三菱重工業によると、米軍が行…