米国を訪問中の岩屋毅防衛相は16日(日本時間17日未明)、ワシントンの国防総省で、マティス前国防長官の辞任を受けて今月就任したシャナハン国防長官代行と初会談した。岩屋氏は昨年12月に策定した「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」を説明、米側とサイバーや宇宙など「新領域」において協力を進めていくことで一致した。
会談では、海上自衛隊の哨戒機が韓国海軍艦艇から火器管制レーダーを照射されたとされる問題についても岩屋氏が説明した。岩屋氏は会談後、記者団に「日米同盟と米韓同盟に基づく抑止力は地域の安全保障に不可欠であるという認識を共有した」と語った。
岩屋氏はまた、日韓の防衛当局が14日にシンガポールで実務協議を行ったことについて、「認識を一致させられなかったのは非常に残念だが、今後も話し合う必要がある」と述べ、協議を続ける考えを示した。
岩屋氏はこの日、ホワイトハウスのボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)とも会談。北朝鮮との非核化交渉に関して意見交換した。岩屋氏は記者団に「2回目の米朝首脳会談の準備が始まっていると聞いた。『完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)』に向け、(北朝鮮への強い経済制裁を盛り込んだ)国連安保理決議の完全履行が必要だということを確認した」と述べた。(ワシントン=土佐茂生)