中国が昨年12月、米国から原油と液化天然ガス(LNG)をまったく輸入しなかったことが、中国税関総署が25日発表した同月の詳細な貿易統計でわかった。米中両国は3月1日を期限にして厳しい通商交渉を続けており、中国側が国有エネルギー大手による調達を制御し、対米交渉のカードをつくったとみられる。
中国政府関係者は25日、「エネルギーは米国が最も重視している輸出品だ。中国は米国産の最大の輸入国だったが、買うのをやめた。米国は直接的な打撃を受けるだろう」と話した。
原油と天然ガスは米国にとって、対中貿易での「弱点」とみられていた。
国連と世界貿易機関(WTO)が共管する国際貿易センターによると、米中通商紛争前の2017年、米国が輸出する原油に占める中国向けの割合(金額ベース)は20%。一方、中国の輸入に占める米国産の割合は2%にすぎない。LNGも13%対4%で、中国にとって対米報復に使いやすい輸入品だからだ。中国は同年10月もLNGを輸入していない。不足分は、ロシアなど米国の競争相手から輸入を増やすとみられる。
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