カナダのトルドー首相は26日、中国の通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)幹部の逮捕に政治的背景があると受け止められかねない発言をしたマッカラム駐中国大使を解任したと明らかにした。首相は解任の理由を説明していない。発言をめぐっては、野党を中心に、「司法の独立」を強調してきたカナダ政府の立場を損なったとして解任を求める声が出ていた。
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マッカラム氏は22日、カナダで中国語メディアと記者会見し、ファーウェイの孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)の逮捕について、「政治介入の要素がある」などと指摘。カナダの裁判所で行われる引き渡しをめぐる審理で、孟氏に有利な材料があるとの見方を示した。
マッカラム氏は元国会議員で、国防相や移民・難民・市民相などを歴任した。物議を醸す発言も多く、カナダメディアによると、18年1月には「環境や地球温暖化、自由貿易などいくつかの重要政策で、カナダの政策は米国よりも中国に近い」などと述べていた。(ニューヨーク=鵜飼啓)