国政の与野党が対決する構図となり、夏の参院選を占う選挙として注目された山梨県知事選。朝日新聞社は27日、投票所で出口調査を実施した。
知事選は、自公両党が推薦する新顔で前衆院議員の長崎幸太郎氏(50)と、立憲と国民が推薦する現職の後藤斎氏(61)との事実上の一騎打ちとなった。
出口調査の結果では、長崎氏は自民支持層の7割、公明支持層の7割の支持を得ていた。無党派層には4割近くに浸透している。一方、後藤氏は立憲支持層の8割をまとめたほか、無党派層の5割に浸透していた。自民支持層の2割、公明支持層の2割近くにも支持を広げている。
自民は多くの国会議員を山梨入りさせるなど党をあげて長崎氏を支援した。2005年の「郵政解散」で衆院山梨2区に「刺客」として送り込まれた長崎氏は、保守分裂の激しい選挙を繰り返してきた経緯があり、知事選で自公支持層は必ずしも一枚岩になっていない。一方で長崎氏は無党派層に浸透、若年層から高齢層まで幅広く得票していた。
元民主党衆院議員で、前回は与野党相乗りだった後藤氏は今回、「県民党」の立場を強調。野党各党は前面に出ない選挙戦を展開した。後藤県政について「大いに」と「ある程度」を合わせた「評価する」が79%にのぼった。だが、「大いに評価する」層で半数は長崎氏に投票しており、県政評価と投票先は必ずしも連動していない。
調査は県内60投票所で実施し、2741人から有効回答を得た。(編集委員・堀江浩)