日本が舞台となるラグビーワールドカップ(W杯)イヤーが明けた。前回大会で日本を率いて3勝を挙げ、現在はイングランドを率いるエディ・ジョーンズ氏(58)は「努力は100%でなければ意味がない」という。話はさらに、スポーツが国家、社会にもたらす影響力などに広がった。
W杯を8カ月後に控え、2月2日は欧州6カ国対抗で、我々の初戦がある。自然と気持ちは引き締まる。就任以降の勝率8割は納得できる数字だし、ここまでの準備に悔いはない。
私の信条として、努力は100%でなければ、意味がない。50%や70%で満足していては力はつかない。
私は労働者階級の出身で、父は軍人だった。とても勤勉でオフの日も副業をして、私を含め、子ども3人を大学まで行かせてくれた。その遺伝子が私に受け継がれているのだろう。ラグビー選手として小柄だったけれど、強くなりたかったから努力を惜しまなかった。最善を尽くす習慣は、指導者になっても変わらない。
怠けぐせの自覚がある人に助言をするなら、過去にとらわれずに、変わる勇気を持ってほしい。そして大切で、かつ難しいのは、その努力を継続することだ。
「母国」はタフ
日本で指導していたとき、私は武士道精神に着目し、「努力」「忠誠心」「信頼」という日本伝統の美徳を生かそうと考えた。一方、イングランドの選手に感じる特徴は、「タフさ」と「ハードワーク」だ。
今、英国は欧州連合(EU)離脱でもめている。テリーザ・メイ首相を見ていると、政策の是非はともかく、タフだ。批判をはねつけて闘っている。彼女には自分の道を貫く強さ、やり抜く力を感じる。
それに似た気質を、ラグビーの…