スーパーラグビー(SR)の日本チーム・サンウルブズ(SW)の合宿が14日、千葉県市原市で始まり、今年のワールドカップ(W杯)に向けた準備が本格化する。参加選手によって、目標は定位置確保、大会メンバー31人枠入りと目標は違えど、代表をめぐるサバイバルが幕を開けた。
ラグビーワールドカップ2019
初日は、日本代表の多くの選手が参加しなかった。合宿メンバー30人の大半が「マーキー・プレーヤー」と呼ばれる日本代表資格がない外国出身選手。この時期、代表の主力は強制的に休養が与えられ、2月からのSWと別に行われる合宿に備えている。それでも昨年の出場時間などを踏まえ、早めに始動した代表選手がいる。
初日の練習後、さっそくファンのサインの求めに応じたのが、プロップの山下。昨秋、念願の代表に復帰し、神戸製鋼の日本一にも貢献した。
SWは代表定着の好機ととらえる。2015年W杯で南アフリカ戦に勝った功労者も、帰国後は「エディジャパンで疲れた」と燃え尽きた。翌16年にSRのチーフスでリーチとともにプレーしたが、代表から呼ばれなくなっていた。
初めてのSW入りに「セットプレーはできて当たり前。FW第1列もフィジカルと運動量が求められる」と、二つの課題を伸ばしていく。「代表では3番手」と、自身の立場を見る。過去の実績にあぐらをかくことなく、代表入りを確かなものとするため、SWでの活躍を誓う。
昨年11月、日本代表のロシア戦で先発しともに不満の残る結果となったのが、SO松田とSH茂野の2人。2人とも元気に始動した。
辛勝したロシア戦は、チームが攻め手に詰まる場面があるなど、松田は自身のゲームコントロールに課題を感じた。正SOの田村が入ってから形勢が変わり逆転しただけに、「(田村)優さんのように信頼される選手にならないと」と振り返る。
田村との実力差は大きいと認めながらも、「評価を覆したい。W杯開幕戦のロシア戦では10番で試合に出たい」。昨秋の雪辱を果たすためにも、SWでの実戦ひとつひとつが貴重な成長の場となる。
茂野にとってロシア戦は久々の国際試合だったが、「パフォーマンスは不満足な部分が多かった」。SHは、日本代表に田中と流がいて、SWには内田もいる激戦区。「まずはゲームタイムが欲しい」。練習からアピールし、自らランで仕掛ける積極性も取り戻したいという。(能田英二)