「声優のアイコ」を名乗り、知り合った男性を睡眠薬で眠らせて現金などを奪ったとして、昏睡(こんすい)強盗などの罪に問われた無職神いっき被告(35)を懲役10年とした一、二審判決が確定する。最高裁第三小法廷(岡部喜代子裁判長)が29日付の決定で、被告の上告を棄却した。
弁護側は、被告には解離性障害があり、「犯行を実行したのは別人格のアイコで、刑事責任を問えない」と無罪を主張した。一審・東京地裁は、犯行中に普段の人格で「LINE」を使って知人とやり取りをしていた点などを踏まえ、別人格との入れ替えを否定し、完全な刑事責任能力を認めた。二審・東京高裁も支持した。
一、二審判決によると、神被告は2013~14年、東京都や神奈川県で男性に睡眠薬入りの酒を飲ませる昏睡強盗などを6件繰り返し、計270万円相当の現金や腕時計などを奪った。(岡本玄)