議会選挙で男女の候補者数をできる限り「均等」にするよう政党に求める候補者男女均等法ができて初めての参院選を今夏に控え、各党で候補者擁立作業が本格化している。数値目標を掲げて女性候補者の擁立に積極姿勢を示す野党側に対し、現職議員の多い自民党は出遅れている。
「おなごの議員もいないとダメだあ」女性ゼロ議会に変化
東京・永田町の衆院第2議員会館で29日、候補者男女均等法の成立に尽力した市民団体「クオータ制を推進する会」主催の集会があった。これから議員をめざす全国各地の女性ら約200人が参加。各党の担当者らが女性擁立に向けた取り組み状況などを説明した。
立憲民主党の長妻昭・選挙対策委員長は「(参院選で)男女同数の候補者擁立をめざしている」と発言。現時点では男女同数だとし、「同法ができ、大きなうねりを感じている。チャレンジしたいという女性がひっきりなしにやってくる」と述べた。
国民民主党の岸本周平・選対委員長は、将来的な男女同数を目標としつつ、参院選ではまず3割をめざすと説明。共産党の畑野君枝衆院議員は「候補者も議員も1対1を当たり前にしたい」と語り、「うちの党は(選挙費用は)全部カンパで、女性議員の負担もゼロだ」とアピールした。
野党側が積極姿勢を打ち出すのは、女性候補者の擁立が鈍い自民党との差別化を図るねらいがある。集会に参加した自民党の逢沢一郎・選挙制度調査会長は「(女性比率が低い)自民党の現実に改めて向き合っていかなければいけないと実感している」と話した。
自民党の参院選の擁立状況(29日現在)は、選挙区46人のうち6人、比例区30人のうち4人の計10人が女性候補者で、全体に占める割合は1割程度にとどまる。2016年の前回参院選で擁立した12人以上をめざすものの、安倍晋三首相の掲げる「女性活躍」からはほど遠いのが現実だ。
二階俊博幹事長は、総裁特別補佐を兼ねる稲田朋美筆頭副幹事長を女性活躍担当に指名。女性議員を増やす方策や活用のあり方などを検討している。ただ、そもそも自民党の女性国会議員は41人で、全体の1割。男性の現職議員が多いだけに、新人が出る余地が少なく、女性議員を増やしにくいとのジレンマを抱える。
稲田氏は05年、当時の小泉純一郎首相が踏み切った「郵政解散」で、郵政民営化に反対した現職への「刺客」として安倍氏に請われて衆院選に立候補した。政党の意志次第で女性を増やせることを知る立場だが、朝日新聞の取材に対し、「大量に新人を立てる劇的な選挙でもなければ、与党の自民党は現職優先。新人の女性が出にくい環境がある」と話す。(三島あずさ、岡林佐和、明楽麻子)
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