横浜市の自宅で昨年1月、父親を殺したとして殺人罪に問われた少年(19)の裁判員裁判の初公判が6日、横浜地裁(深沢茂之裁判長)であった。少年は殺害を認めた。検察は冒頭陳述で、母親が父親から平手でたたかれるなどのDV(家庭内暴力)を受けていて、事件当日も父親と母親が口論になり、少年が包丁で刺したと明らかにした。
起訴状などによると、少年は昨年1月20日、母親に説教を始めた父親(当時44)に対し、「やめろよ」と止めに入ったが口論が続いたため、右胸を包丁で刺した上、首の後ろなどを複数回刺し、殺害したとされる。検察は冒頭陳述で「執拗(しつよう)に何度も刺した。強い犯意に基づく」と述べた。
一方、弁護側は「(少年は)長年サッカーボールのように腹を蹴られるなど虐待を受けていた」と述べ、子の前で親が配偶者に暴力を振るう面前DVや、直接の虐待が犯行の背景にあると訴えた。(飯塚直人)