サウジアラビア人記者のジャマル・カショギ氏が昨年10月にトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館で殺害された事件で、国際調査をしているカラマール国連特別報告者は7日、「収集した証拠は、殺害がサウジ当局者によって計画、実行されたことを示している」とする中間報告を発表した。最終報告は6月の国連人権理事会に提出される。
カラマール氏のチームは1月下旬から1週間、トルコを訪問して調査。トルコの情報機関が入手した殺害時の様子を収めたとされる音声記録にも接したが、独自に真偽を確かめることはできなかったとしている。また、カラマール氏は、事件発生当時にトルコ側の捜査員の現場への立ち入りが著しく制限されたとして、サウジ側の対応を批判した。
事件では、サウジのムハンマド皇太子の関与が取りざたされているが、サウジ政府は一貫して否定。サウジ検察は殺害に直接関わったとされる5人に死刑を求刑している。(イスタンブール=其山史晃)