三菱マテリアルの子会社3社が品質データを改ざんしたとして不正競争防止法違反(虚偽表示)の罪に問われた事件で、東京簡裁は8日、三菱電線工業(東京都千代田区)に罰金3千万円、前社長・村田博昭被告(62)に罰金200万円の判決を言い渡した。いずれも求刑通りの量刑。裁判では3社とも起訴内容を認め、罰金の有罪判決が出そろった。
判決によると、三菱電線と村田前社長は2017年6~10月、和歌山県の工場で受注した半導体の製造部品について、仕様を満たしたように装った虚偽の検査データを20回、顧客に示した。山中喜代志裁判官は、同社では20年以上前から改ざんが常態化し、村田前社長は問題発覚後もしばらく不正を容認したと指摘。「組織的、継続的な犯行だ」と述べた。(阿部峻介)