文化審議会は8日、福島県伊達市の「伊達の蚕種(さんしゅ)製造及び養蚕・製糸関連用具」を重要有形民俗文化財に、同県喜多方市・会津美里町の「会津の御田植祭(おたうえまつり)」と栃木県小山市の「間々田(ままだ)のじゃがまいた」、福岡県北九州市の「小倉祇園祭の小倉祇園太鼓」の3件を重要無形民俗文化財に指定するよう文部科学相に答申した。
伊達の蚕種製造及び養蚕・製糸関連用具は、蚕の卵を作る用具や、この土地で発明された蚕専用の寒暖計、東北地方の特徴的な糸繰り用具など1344点。体系的に整理され、蚕糸業の変遷を理解する上で重要だとして、登録有形民俗文化財から規制や補助が手厚くより保護される重要有形民俗文化財に「格上げ」される初めてのケースとなった。
また、大津市の「田上(たなかみ)の衣生活資料」1358点を登録有形民俗文化財に登録するよう答申。鹿児島県薩摩川内市の「薩摩川内の大綱引き」など8件を「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択するよう文化庁長官に答申した。他の選択は以下の通り。
【記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財】倉沢人形歌舞伎(岩手県花巻市)▽福井の戸祝いとキツネガリ(福井県)▽三熊野(みくまの)神社大祭の祢里(ねり)行事(静岡県掛川市)▽灘の酒樽製作技術(神戸市)▽北部九州の盆綱(ぼんづな、福岡県、佐賀県)▽高森のにわか(熊本県高森町)▽岩川の弥五郎どん(鹿児島県曽於市)