東芝は13日、2019年3月期決算(米国会計基準)の利益見通しを下方修正した。本業のもうけを示す営業利益は昨年11月時点の予想を400億円下回る200億円に、税引き後の純利益も500億円下回る8700億円にそれぞれ引き下げた。市況の悪化に直面した半導体製造装置子会社の株価の下落や、送配電設備事業での費用増などが響くという。売上高の見通しは200億円引き上げて3兆6200億円とした。
昨年6月に売却した半導体子会社「東芝メモリ」の影響を除いた前年実績と比べると、売上高は8・3%減、営業利益は68・8%減となる見込みだ。
東芝メモリの売却益を得たことで、純利益は過去最高を更新する見込みだ。倒産の危機は遠のいているが、稼ぐ力の低下は深刻さを増している。再建請負人として昨春に金融業界から転じた車谷暢昭(くるまたにのぶあき)会長兼最高経営責任者(CEO)の就任初年度も、収益悪化に歯止めがかかっていない。
同日発表した18年4~12月期決算は、売上高(東芝メモリ分を除く)は前年同期比5・5%減の2兆6471億円、営業利益(同)は85・2%減の82億円。東芝メモリの売却益を計上した純利益は約38倍の1兆216億円だった。(内藤尚志)