自動車大手7社の2018年4~12月期決算が12日出そろった。新興国の通貨安や原材料の高騰などが利益を圧迫し、スズキを除く6社の純利益が減益となった。トヨタ自動車やホンダ、日産自動車では、昨年の米トランプ政権の法人減税による一時的な利益押し上げの反動も出た。
トヨタは、昨年末の株式相場の下落により、保有株の評価損が出たことも響いて2年ぶりの減益に。スバルは相次ぐリコール(回収・無償修理)費用が利益を押し下げ、マツダは昨夏の豪雨の影響や中国の販売不振が響いた。
一方、売上高は日産とスバルを除く5社が過去最高を更新した。スズキはシェア5割を超すインド市場での販売が堅調で、売上高、純利益とも過去最高を塗り替えた。ホンダも、ベトナムやインドネシアなど東南アジアでの二輪車が好調で、売上高が過去最高となった。
ただ、スズキ、ホンダともに米国の利上げに伴う新興国の通貨安の影響などで営業利益は減益だった。(高橋克典)
自動車大手の2018年4~12月期決算と19年3月期見通し
(単位億円。18年4~12月期の売上高、純利益、19年3月期の純利益見通しの順。かっこ内は前年同期比増減率%。▼はマイナス。トヨタは米国会計基準、ホンダは国際会計基準)
トヨタ自動車
22兆4755(3.1)
1兆4233(▼29.3)
1兆8700(▼25.0)
ホンダ
11兆8395(3.4)
6233(▼34.5)
6950(▼34.4)
日産自動車
8兆5784(0.6)
3166(▼45.2)
4100(▼45.1)
スズキ
2兆8388(4.2)
1807(10.0)
2200(2.0)
マツダ
2兆6225(2.9)
370(▼56.4)
550(▼50.9)
スバル
2兆3774(▼2.5)
1182(▼22.7)
1400(▼36.5)
三菱自動車
1兆7940(18.2)
691(▼1.3)
1100(2.2)