架空の投資話で金をだまし取ったとして、投資関連会社「テキシアジャパンホールディングス」(千葉市中央区)の実質的経営者ら10人が詐欺容疑で逮捕された事件で、群馬県内の神社が同社の関係者によって運営されていることが、捜査関係者などへの取材でわかった。愛知、岡山両県警は、テキシア社関係者が出資者らを招いて戦没者慰霊祭を開催するなど、信用を得るための舞台装置にしていた可能性もあるとみている。
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神社は群馬県渋川市にある「大不尽魂(おおふじたま)神社」。神社の登記簿などによると、宮司は詐欺容疑で逮捕された銅子(どうこ)正人容疑者(41)=自称・大阪市淀川区=が務める。神社を運営する団体の前代表は銅子容疑者とともに逮捕された安達慶三容疑者(58)=神戸市中央区=だった。
サイトでは自民党元衆院議員(故人)を建立者と紹介し、「戦争で犠牲になられた多くの日本及び世界中の戦闘員、非戦闘員の方々の御霊を鎮めるために設立された」と説明している。関係者のSNSでは、敷地内で銅子容疑者らが開いたとみられる行事の写真を公開。ミャンマーや鹿児島などでも戦没者慰霊祭を開いたとして、銅子容疑者らが慰霊祭に臨む様子が公開されていた。
捜査関係者によると、参加者のほとんどが銅子容疑者らに入れ込んだ出資者だったという。地元の別の神社関係者は「この辺で氏子がいるような神社ではない」と話す。
大不尽魂神社はJR渋川駅から車で20分弱の山中にある。群馬県神社庁への登録はないが、地元の人によると、年に何回か、県外からの自家用車やバスなどで人が集まることがあったという。近所の女性は「地元でお参りする人はいない。何をしているのか、えたいが知れない」と話した。