米連邦準備制度理事会(FRB)が景気過熱を抑える「金融引き締め」から、景気減速に配慮した「緩和」方向へ転換したことが鮮明になってきた。1月末には約3年間続けた利上げの休止を決定。その会合の議事要旨が20日公表され、保有資産を減らし市場に流すお金を絞る政策も、今年後半で終えるとほぼ一致していた。米中貿易摩擦や、世界経済の不透明感が増したことが背景にある。
FRBは2008年のリーマン・ショック後、国債などを買って市場にお金を流す量的緩和を開始。14年9月に量的緩和を終了し、15年12月に利上げに転じた。17年10月に資産縮小も始めた。米景気を過熱させないため引き締めの必要があった。しかし昨年トランプ政権が米中摩擦を激化させ、投資環境の先行きが見通しにくくなるとともに中国経済も減速。景気に不安が出た。
このためFRBは1月末の連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げを当面見送ると決定。公表された議事要旨では参加者のほぼ全員が資産縮小についても「19年後半に終える計画を近い将来に示すのが望ましい」としていた。早ければ3月19~20日のFOMCで、資産縮小終了を公表するとみられる。縮小は20年代初めまで続ける予定だったが前倒しして終える。
議事要旨内の発言では景気への…