米トランプ政権は21日、内戦が続くシリアからの米軍の全面撤退の方針を変更し、米兵200人の駐留を継続すると表明した。撤退方針への内外の反発を受け、トランプ大統領が妥協を余儀なくされた形だ。米軍撤退後を見据えていたロシアやトルコなど関係国やシリアの国内勢力の動向に影響を与えそうだ。 米軍200人、シリア駐留継続へ 全面撤退の方針を転換 「約200人の小規模な平和維持部隊が一定期間、シリアにとどまる」 ホワイトハウスのサンダース報道官が21日夜に発表した声明は一文のみ。撤退を選挙公約にしてきたトランプ氏も同日、ツイッターでもこの問題には沈黙した。「一定期間」の目安が示されておらず、駐留継続が無期限となる可能性があり、事実上の方針転換に触れたくないとみられる。 米メディアによると、200人の米兵は、少数民族クルド人の武装組織「人民防衛隊」(YPG)を中心とする勢力が支配するシリア北東部と、反体制派が支配するヨルダン国境近くの南部タンフに分かれて駐留する計画という。 全面撤退は過激派組織「イスラム国」(IS)の完全制圧を近く宣言した後、4月末までに完了するとみられていた。 トランプ氏は昨年12月、シリアに駐留する約2千人の撤退を表明した。だが、政権内からも異論が噴出し、マティス国防長官が抗議して辞任した。米議会上院は今月、米軍撤退中止を求める法案を与野党の賛成多数で可決している。 シリア東部ではイラク国境近く… |
米一転、シリア駐留継続 妥協を強いられたトランプ氏
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