第2次世界大戦中にナチス・ドイツの迫害からユダヤ人を救った「命のビザ」を発給した外交官、杉原千畝(ちうね)(1900~86年)に感謝を示すため、イスラエルに植樹された木々が伐採されていたことが分かり、イスラエルの団体が親族に謝罪した。
杉原は大戦中にリトアニア・カウナスの領事代理を務め、ナチスの迫害から逃れようとしたユダヤ人に2139通の日本通過ビザを発給。家族らを含め約6千人の命を救い、ユダヤ人を救ったドイツの実業家の名にちなんで「日本のシンドラー」と呼ばれた。
イスラエル側は1985年、杉原をたたえてエルサレム近郊のベイトシェメシュに約400本の木を植樹し、記念碑も設置した。
しかし、今年、四男の杉原伸生(のぶき)さん(70)が現地を訪れるのを前に地元の関係者が調べたところ、植林した森がなくなっていた。
00年代に付近の宅地開発で木々が伐採され、記念碑も撤去された可能性が強いという。
植林を管理していたイスラエルの団体「ユダヤ民族基金」は親族に謝罪。周辺環境の変化から「(顕彰するために)適切な場所ではなくなった」とし、別の場所で植樹を行う方針だ。
85年の植樹祭に参加し、今月…