ポンペオ米国務長官は6日、シリアで拘束されている過激派組織「イスラム国」(IS)の外国人戦闘員について、各出身国が身柄を引き受けて訴追するよう求めた。IS掃討の有志連合に加わった79の国や地域の代表を集めたワシントンでの会議で語った。
ポンペオ氏はISの支配地域を解放したことを強調しつつ、「(ISは)依然として地域で危険な脅威である。我々への脅威を取り除くために永久に壊滅させなければならない」と指摘。「有志連合のメンバーは率先して外国人戦闘員を引き取り、訴追し、罰しなければならない」と訴えた。国務省はシリアの少数民族クルド人を中心とする武装組織「シリア民主軍」(SDF)が拘束中の戦闘員が対象だとしている。
米CNNによると、SDFが拘束する外国人戦闘員は40カ国以上からの800人以上に上るという。
トランプ大統領は昨年12月、「ISに勝利した」としてシリアに駐留する計約2千人の米兵撤退を表明した。しかし、クルド人武装組織をテロ組織と見なすトルコが越境攻撃を宣言。
ポンペオ氏は米軍の撤退について「撤退で米国の戦いが終わる訳ではない。戦術変更だ」と語った。
今回の要請の背景には、米軍撤退後に地域が不安定化し、ISの外国人戦闘員が解放されてしまうことへの懸念がある。(ワシントン=杉山正)