米ホワイトハウスは21日、シリアからの米軍撤退について、米兵約200人は駐留を継続することを明らかにした。トランプ大統領は選挙公約である米兵の全面撤退を表明していたが、国内外からの反対で方針を転換した形だ。
サンダース報道官は同日の声明で「一定期間、約200人の小規模な平和維持の部隊がシリアにとどまる」と表明した。ホワイトハウスは「一定期間」の目安を示しておらず、事実上、駐留継続が無期限になるとみられる。
現在、シリアには米兵2千人が駐留している。トランプ氏は昨年12月、過激派組織「イスラム国」(IS)への「勝利」を理由に米軍の全面撤退を表明。16日にも「100%の(IS支配地制圧)勝利の後、我々は引き揚げる」と全面撤退方針を強調していた。
一方で、撤退に反対したマティス前国防長官が辞任するなど政権内で異論が出た。米議会でも、超党派で性急な撤退に反対する声が相次いでいた。(ワシントン=杉山正)