愛知県豊田市の山中で今月、職業不詳犬飼幸子さん(31)=名古屋市天白区=の遺体が見つかった事件で、死体遺棄容疑で愛知県警に逮捕された女2人と、犬飼さんが事件当時、同居に近い生活をしていたことが、捜査関係者への取材で分かった。知人らによると、犬飼さんと2人の女との間では、日常的な暴行や金銭トラブルがあったという。
捜査関係者によると、犬飼さんは、事件の数カ月前から店員の門田典子(36)=愛知県稲沢市=と無職の石川一代(34)=名古屋市中区=の両容疑者と、石川容疑者のマンションに頻繁に出入りしていた。犬飼さんの遺体の全身に複数のあざがあり、激しい暴行を受けていたとみられるという。県警の司法解剖の結果、犬飼さんの頭部には殴られた痕もあり、死因は外傷性脳障害だった。
両容疑者を知る女性は「2人は、(犬飼さんを)繰り返し暴行してお金を巻き上げ、ホストクラブなどの費用に充てていたようだ」と証言。別の知人男性は「石川容疑者がパチンコ店で、犬飼さんに金を要求しているところを見た」と話した。県警は事件の背景に、こうした金銭トラブルが絡んでいる可能性があるとみて調べている。
中署によると、両容疑者は共謀して2月4日ごろ、犬飼さんの遺体を同県豊田市内の山中に遺棄した疑いがある。
遺体「名古屋市内から運んだ」と供述
門田、石川両容疑者が「遺体は知人女性で、名古屋市内から車で運んで捨てた」などと供述していることも、捜査関係者への取材でわかった。県警は、女性が死亡した経緯などについて、両容疑者から詳しく聴く方針。
中署によると、両容疑者は共謀して2月4日ごろ、知人女性の遺体を同県豊田市内の山中に遺棄した疑いがある。
24日朝、両容疑者の知人男性から「(門田容疑者が)人を殺したようだ」と110番通報があった。県警が両容疑者に話を聴いたところ、ともに遺棄を認め、説明通りの場所から遺体が見つかった。
両容疑者を知る男性によると、「2人はホストクラブに通い、別の女性客とトラブルがあったようだ」という。