日本統治下の朝鮮で、1919年3月1日に起きた「3・1独立運動」から100年。植民地支配からの解放を求め、「良心はわれらとともにある」と訴えた「独立宣言書」の一枚が、長崎県の個人宅に現存することがわかった。韓国にも数少ない貴重な史料だ。
独立宣言書は、漢字・ハングル交じりで書かれ、縦22・5センチ、横46・5センチ。東洋の平和、世界平和のために朝鮮の独立が必要だと主張。「公約」として非暴力で闘うという趣旨のことが書かれている。
天道教、キリスト教、仏教の宗教者33人が「朝鮮民族代表」として署名。事前に約2万1千枚(枚数には異説も)が現在のソウルで印刷され、地方にも運ばれて人々に配布された。
そのうちの一枚を所蔵するのは長崎県の元教員、佐藤正夫さん(67)。独立運動当時、平壌で陶器商を営んでいた祖父が、54年に現在の北九州市で他界、その遺品に含まれていた。
祖父と共に平壌で暮らした佐藤さんの父が、84年に出版した回想記で宣言書に触れた。これを読んで佐藤さんは初めて宣言書の存在を知り実物を確認した。
祖父が宣言書を入手した経緯は…