奈良市の薬師寺で1日、約1世紀ぶりの解体修理が進む東塔(国宝)の最上部を飾るために新調された「水煙(すいえん)」の特別公開が始まった。新調は約1300年の寺の歴史で初めて。創建時の「白鳳(はくほう)の水煙」と一緒に見ることができる。10日まで。
水煙は銅製。塔の最上部を飾る「相輪(そうりん)」の一部で、空中を舞う「飛天」の透かし彫りもある。東西南北に4枚あり、1枚が縦幅約1・9メートル、重さ約100キロ。古い水煙の形状を三次元計測し、富山県高岡市の伝統工芸高岡銅器振興協同組合に依頼して新調した。3月中~下旬に東塔に収められる。
奈良県田原本町から来た主婦、吉川英子さん(58)は「こんなに触れられるくらい間近で見られるなんて。昔の技術もすばらしいし、いまの職人さんの技術もすごい」と話した。
特別公開は午前10時~午後4時。無料だが、白鳳伽藍(がらん)の参拝券(大人1100円、中高生700円、小学生300円)が必要。問い合わせは薬師寺(0742・33・6001)へ。
東塔再建の落慶法要は2020年4月の予定。(宮崎亮)