東京都江東区のマンション一室で住人の加藤邦子さん(80)が強盗に襲われて殺害された事件で、加藤さんは、週3回午後に依頼している介護スタッフが来る前の午前中に襲われていたことが捜査関係者への取材でわかった。親しい友人が訪れていたが帰宅直後に襲われており、警視庁は来訪者の予定を事前に探り、高齢の加藤さんが1人の時間を狙った可能性があるとみて調べている。
逃走の3人組、黒い手袋着けて犯行か 80歳殺害事件
捜査関係者によると、加藤さんには持病があり、月、木、金曜の午後2時から4時の間の45分間、介護スタッフが掃除などを手伝うために加藤さん宅を訪れていた。110番通報は2月28日木曜の午後1時55分ごろで、予定通り訪れた介護スタッフが加藤さんの遺体を発見した。午前11時ごろには黒ずくめの男3人がマンション内に時間差で入る様子が防犯カメラ映像で確認されており、警視庁はこの3人が加藤さんを襲ったとみている。
加藤さんは2月中旬、自宅にどのくらい現金があるかを尋ねる「アポ電」と呼ばれる電話がかかってきていたことを友人男性に話している。この友人は午前10時半ごろまで加藤さん宅を訪れていた。誰も訪れない空白の時間に襲われた。
現場の室内は広範囲に荒らされていたが、今のところ犯人のものとみられる指紋は検出されていない。3人組は黒い手袋を着用しており、警視庁は痕跡が残らないようにした疑いがあるとみている。また、ダイニングの机の上には包丁が置かれており、加藤さんを脅したり固定電話のコードを切断したりする際に使った可能性があるとみている。