大阪府高槻市の高槻赤十字病院は5日、麻疹(はしか)の感染が疑われる患者の受け入れを一時制限していたと発表した。実際に診療を拒否したケースはなかった、と説明している。
病院によると、発熱やじんましんを訴えた40代女性が2月10日に来院し、診察中に別の医療機関で他のはしか患者との接触があることが判明。同12日に女性の陽性が確定した。14日から救急車両などではしかの疑いがある患者3人を診察するようにしていた。
しかし、はしかの抗体がある職員や診療スペースの確保が困難だとして、はしか患者の診療を制限することを決定。同15日にホームページで「はしかの疑いがある患者さんの受け入れのご紹介をお断りさせていただきます」と通知。近隣の医師約100人に病院の対応を説明した。
病院は、同18日に市保健所から速やかに通常診療に戻すよう要請されたが、院内の接触者の発症がないことを確認できた3月3日、制限を解除したという。同病院の古川福実院長は会見で、「(HPの)文面を見ると受け入れ拒否と読み取れる」とし、「地域住民に心配をかけ、申し訳ない」と謝罪した。
今年に入り、府内でははしかの感染が拡大。2月24日までの集計で96人おり、国のまとめ(2月20日現在)で全国の都道府県でワースト。府は今回の問題を受け、診療の際の時間や場所を分けるなど院内感染を防ぐ対策をとって患者を受け入れるよう各保健所を通じて医療機関に指導する。