日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(64)が会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された事件で、東京地裁は5日深夜、保釈許可決定に対する検察側の準抗告を棄却した。前会長が保釈保証金10億円を納付すれば、6日にも東京拘置所から保釈される。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
地裁は5日、前会長側の3回目の保釈請求を認める決定を出し、東京地検がこの決定を不服として準抗告を申し立てていた。保釈決定をした裁判官とは別の裁判官が改めて検討し、証拠隠滅の恐れは少ないと判断したとみられる。
前会長は一貫して起訴内容を否認。身柄拘束は昨年11月19日に逮捕されてから3月5日で107日間となった。東京地検特捜部の事件で否認のまま、裁判の争点や証拠を絞り込む公判前整理手続き前に保釈されるのは極めて異例だ。
弁護側によると、地裁の保釈許可決定では制限住居を都内とし、出入り口に監視カメラを設置することが条件とされた。関係者への接触や海外渡航も禁じられ、パソコンや携帯電話の使用も制限されるという。