佐賀県吉野ケ里町の山中で女性の遺体が見つかった事件で、佐賀地検は5日、女性の夫で住所不定、無職の岡田加津吉(かつきち)容疑者(71)を承諾殺人と死体遺棄の罪で起訴したと発表した。認否は明らかにしていない。
起訴状によると、岡田容疑者は1月17日午前2時半ごろ、兵庫県たつの市揖西(いっさい)町の山陽自動車道龍野西サービスエリア駐車場にとめた自家用車内で、妻の幸子(さちこ)さん(79)の承諾を得たうえで、首をネクタイで絞めて殺害。その後、遺体を車に乗せたまま佐賀県吉野ケ里町まで運び、同日午後1時ごろ、遺体を山の斜面に投棄したとされる。
2人は福岡市東区の市営住宅で暮らしていたが、昨年10月に相次いで行方不明になっていた。今年1月20日に幸子さんの遺体が見つかり、県警は同月22日に岡田容疑者を死体遺棄容疑で逮捕、2月12日には殺人容疑で再逮捕していた。
県警によると、幸子さんは心臓が弱くペースメーカーを付けていたという。
佐賀地検の奥野博次席検事は「(妻からの)承諾がなかったことを、証拠から立証するのは難しいと判断した」と説明している。