「海を見に行かない?」 柏崎未来(みき)さん(33)は故郷近くの岩手県釜石市鵜住居町の海岸に、小学5年の藤原菜穂華(なおか)さん(11)を誘った。東日本大震災の津波に身内や家を奪われた2人。「もう海、見たくない」。そう思っていた者同士がこの8年間、年の離れた姉妹のように支え合い、一緒に歩んできた。 自然学校スタッフの未来さんは8年前、北海道でNPO活動をしていた時に震災に遭った。故郷の街はがれきに消え、従姉妹(いとこ)や同級生の死を知った。 「何もしなければだめになりそう」と仲間と避難所を回り、「子どもの遊び場づくり」を始めた。200人以上が暮らす避難所の片隅で、1歳半の妹に寄り添う3歳の女の子がいた。母親(当時26)を亡くした菜穂華さん。未来さんが差し出した手を、ぎゅっと握ったまま、離さなかった。 菜穂華さんは「妹を守らなきゃ… |
3歳で母亡くし、出会った22歳上の「姉」 2人の8年
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