千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん(10)が自宅で死亡した事件で、千葉地検は6日、父親の勇一郎容疑者(41)を傷害致死の罪で、母親のなぎさ容疑者(32)を傷害幇助(ほうじょ)の罪でそれぞれ起訴し、発表した。起訴内容からは、勇一郎容疑者による執拗(しつよう)な虐待が浮かび上がる。
父を傷害致死罪で起訴 心愛さん虐待死と判断 千葉地検
「5秒以内に服を脱げ。5、4、3、2、1」
1月24日午後1時ごろ、心愛さん(10)は暖房のない浴室で、水にぬれた肌着を脱ぐよう命じられ、ボウルで頭から冷水をかけられた。勇一郎容疑者は「シャワーで流せよ。お湯じゃないだろう。なんでお湯なんだ」と続け、シャワーでも冷水を浴びせた。
さらに午後4時ごろ、勇一郎容疑者はリビングでうつぶせにさせた心愛さんの背中に乗り、両足をつかんで体を反らせた。約6時間後には、寝室に入ろうとする心愛さんを「なんでいるの。ダメだから。ちょっと来い」と浴室に連れ込み、シャワーで顔面に冷水を浴びせ続けた。
心愛さんは22日夜から食事を抜かれ、十分な睡眠も許されていなかった。起訴状は勇一郎容疑者が心愛さんを「飢餓状態にし、強度のストレスを与え、強度に衰弱させても構わないと考えていた」と指摘する。
勇一郎容疑者の通報で救急隊員が心愛さんを見つけたのは24日午後11時10分ごろ。捜査関係者によると、既に死後硬直が始まり、首周辺に擦り傷やあざがあった。胸や腹部にも古いあざが残されていた。