新潟県の佐渡島沖を航行していた佐渡汽船の高速水中翼船ジェットフォイル(乗客121人、乗員4人)が海洋生物と見られる物体と衝突し80人が重軽傷を負った事故で、佐渡海上保安署は10日、船長らから事情聴取し、船体の実況見分を行った。同署は、同種の事故と比べて負傷者が多い点を重くみて、業務上過失致傷容疑を視野に調べている。
高速船が海洋生物と衝突?乗客80人けが 佐渡の沖合
流血・うめき声…高速船衝突、休日の旅が一転パニックに
調べでは、操船中の男性船長(40)は9日午後0時17分ごろ、時速約75キロで航行中、左舷前方の海面下に白っぽい物体を見つけてかじを切り減速しようとしたが間に合わずに衝突。右舷船尾に横17センチ、縦3センチの亀裂が生じ、タービン室なども損傷。乗客のうち、骨盤や腕の骨折などで13人が重傷、67人が軽傷を負った。
国の運輸安全委員会は同日、現地に事故調査官3人を派遣して調査を始めた。乗客はシートベルトの装着を求められていた。シートベルトをしていた乗客からも負傷者が出ており、原因などを調べる。