千葉県松戸市のベトナム国籍の小学3年、レェ・ティ・ニャット・リンさん(当時9)が殺害された事件から2年となった24日、父親のレェ・アイン・ハオさん(36)が、リンさんが遺体で見つかった千葉県我孫子市の排水路わきの草むらを訪れた。「リンちゃんに会いたい気持ちは2年前よりも強くなっている」と涙ぐみながら語った。
午前10時前、ハオさんは、ぬいぐるみなどが供えられている祠(ほこら)に、リンさんの同級生たちから預かったピンクのバラやユリの花束を手向けた。線香を上げながら、ほほえむリンさんの遺影と同じ目線になるように地べたに座り、目を閉じて手を合わせた。
事件では、保護者会長だった渋谷恭正(やすまさ)被告(47)が殺人や強制わいせつ致死などの罪で起訴され、昨年7月の一審・千葉地裁判決で、無期懲役を言い渡された。無罪を主張した被告側は控訴し、高裁の公判期日は決まっていない。
ハオさんは「2年間、本当につらかった。リンちゃんに本当に会いたい」と涙を浮かべ、控訴審について「渋谷被告は罪を認めて、ちゃんとリンちゃんに謝罪してほしい」と訴えた。(寺沢知海)