昨年、当時44歳の女性が人工透析をやめ、公立福生(ふっさ)病院(東京都福生市)で亡くなった。病院は28日、初めて報道各社の取材に応じ、女性の意思を十分確認した上で中止し、手続きなどに問題はなかったとの認識を示した。患者が透析中止を希望した場合、医療者はどのように対応すべきか。今回の件をふまえて学会で議論している。
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治療にあたった外科医(50)と松山健院長らが女性の治療経過を説明した。
説明によると、糖尿病性の腎症や心筋梗塞(こうそく)などを起こし、人工透析をしていた女性は、左腕につくった透析用の血液の出入り口(シャント)の状態が悪化。血管の状態も悪く、新しくシャントをつくるのは難しい状態だった。
昨年8月9日、女性はシャントが閉塞(へいそく)し、同病院を受診。外科医は首周辺に管を通す透析治療を提案したが、女性は「シャントがだめだったら透析をやめようと思っていた」と話し、拒否した。女性は透析の針を刺す際の痛みがつらいなどと語ったという。
外科医は透析をやめると2週間くらいで死に至ると説明、女性は「よくわかっている」と答えたという。女性と女性の夫、外科医と看護師、ソーシャルワーカーを交えて再度話し合ったが、女性の意思は変わらず、夫も女性に同意した。外科医は透析からの「離脱証明書」に女性に署名してもらった。
翌10日も、看護師、内科医、ソーシャルワーカーが女性と夫に確認したが、意思は固かった。
女性は14日に呼吸が苦しくなり入院。16日未明、呼吸の苦しさや体の痛みを訴え、看護師に「こんなに苦しいなら透析した方がいい。撤回する」と発言したことが記録に残っている。
しかし、16日昼前に女性の症…