厚生労働省が今月とりまとめる予定の医師の働き方改革をめぐり、医師や過労死遺族らのグループが22日、労務管理に違反した医療機関の管理者への罰則適用を徹底することを厚労省に要望した。当直を含め、医師の就労データの収集と公開を医療機関に義務づけることも求めている。
勤務医の残業上限「1860時間」に賛否 月内最終決定
要望書は、小児科医の夫を過労自殺で亡くした「東京過労死を考える家族の会」の中原のり子共同代表や、医師らでつくる「医師の働き方を考える会」の鈴木真代表がまとめた。
医師の働き方改革の厚労省案は、勤務医の残業の罰則つき上限時間を、他の職種と同等の年960時間とするものの、一部は条件付きで年1860時間とする。また、多くの医療機関で勤務医の労働時間が適切に管理されず、未払いの残業代が生じているため、労務管理を徹底させていくとする。要望書は、すべての医療機関ができる限り早く、残業の上限を他の職種と同等の基準以下に引き下げるための方策をとることも求めた。(阿部彰芳)