日立製作所の子会社「日立プラントサービス」(東京)の富山県内の事業場が残業代を一部払っていなかったとして、富山労働基準監督署(富山市)が是正勧告を出した。個人加盟の労働組合「労災ユニオン」が28日、東京都内で会見して明らかにした。
同ユニオンによると、富山県の建設現場で施工管理の監督をしていた30代の男性社員は昨年10~12月、1カ月120~185時間の残業をしていた。だが、上司から「本社総務から(残業を)100時間未満にするよう連絡が入っている」などと指示され、100時間前後に少なく申告した。
男性が「残業隠し」が行われたとして今年1月に労基署に通報。労基署は2月27日、男性を含む同じ建設現場の数人に残業代の一部を払っていなかったとして、是正勧告を出したという。
日立製作所の広報・IR部は「是正勧告を真摯(しんし)に受け止め、グループ会社も含めて適切な労働時間管理を徹底していく」としている。
同社では、日立プラントサービスに出向中の20代の男性社員が、長時間労働とパワーハラスメントが原因で精神疾患を発症したとしてして2018年1月に労災認定された。この男性社員も、手元の記録通り残業時間を月約170時間だと申告したところ、上司から過少申告を求められたという。(松浦祐子)