歌手・俳優の萩原健一さんが26日に亡くなった。親交があった作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんが、萩原さんとの思い出や今の気持ちを語った。
特集:「ショーケン」萩原健一さん死去
どん底の先に…ショーケン語録「おれのいすは電気いす」
作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんの話 彼が(大麻取締法違反容疑で)逮捕された後、知り合いが京都の寂庵(じゃくあん)に連れてきたんです。しょげていて、小さくなって影のような姿でしたが、ご飯を出したら涙を流して喜んで食べた。お手伝いの女の子たちはショーケンが来たから夢中になって世話をしていましたよ。たちまちみんな手なずけてね。それでも腹が立たない。そういう徳があったんですね。
私のことは母親のように思っていたんじゃないか。朝の散歩中に「お母さん」って電話をかけてきました。何かで困ったら相談してきて。息子みたいなものですね。
私しか知らないだろうけれど、彼は物が書けるんです。小説を書かせてみようとして、本人も書く気になっていたのに実現しなかった。それだけが残念です。
もう会えないだろうとは思っていたけれど、こんなに早く私より前に死ぬとは思わなかった。楽しい人でした。本当に惜しいですね。