住友重機械工業と子会社が製品の検査データを改ざんしていた問題で、同社は28日、特別調査委員会による調査報告書を公表した。同社と子会社4社の計5社が、不正な製品やサービスを延べ45社の顧客に約5100件納入していたと認定した。現時点でトラブルはないという。別川俊介社長が月額報酬の20%を2カ月、役員7人が同10%を1~2カ月それぞれ自主返納し、不正に関わった従業員は処分するとしている。
調査報告書によると、不正があったのは同社が製造した、半導体製造ラインで使われる機械の「封止プレス」や、住友重機械搬送システム(東京都港区)が製造した駅や公共施設向けの「動く歩道」、住友重機械精機販売(東京都品川区)が担っている、スキー場のリフトに使われている減速機のオーバーホール作業――など。資格のない従業員が検査をしたり、検査をせずウソの数字を検査成績書に記入したりしていた。40年前ごろから不正が続いていた、との証言もあったという。
能率やコストを優先するあまり顧客から求められた仕様を軽視し、上司や第三者のチェックも甘かったことが原因とした。再発防止策として品質監査部門を強化するなどとしている。(上地兼太郎)