学校法人森友学園(大阪市)への国有地売却をめぐる財務省の決裁文書改ざん問題で、大阪第一検察審査会は29日、佐川宣寿(のぶひさ)・元理財局長(61)らの公用文書毀棄(きき)容疑などと、当時の同省近畿財務局職員らの背任容疑に対する大阪地検特捜部の不起訴処分について、「不起訴不当」とする議決書を公表した。議決は15日付。
一連の問題は、大阪府豊中市の国有地をめぐる取引が発端。2016年6月に学園へ売却された際、地中ごみの撤去費などとして8億円余りが差し引かれていた。財務省はこの値引き売却が発覚した17年2月以降、取引に関する14件の決裁文書を改ざんするとともに、交渉記録を意図的に破棄したと認めた。
大阪地検特捜部は背任容疑や公用文書毀棄罪などでの告発を受け、本格捜査に着手。財務省職員や近畿財務局職員らから事情聴取を重ねるなどしたが、昨年5月、佐川元局長ら38人を全ての容疑で不起訴処分(嫌疑不十分、嫌疑なし)とした。告発した弁護士グループなどが、不起訴を不服として検審に審査を申し立てていた。(畑宗太郎、一色涼)