(選抜高校野球 龍谷大平安9-1盛岡大付)
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29日、盛岡大付(岩手)が必死に龍谷大平安(京都)に食らいついた。2回戦で姿を消すことになったが、今大会で目立ったのは県内選手の奮闘ぶりだ。
この日も先発に5人が名を連ねた。同校の主力は例年、関東、近畿から来た部員だった。これほど県内勢が多いのは春夏通算15回目の甲子園出場でも珍しい。
きっかけの一つは、地元出身で大リーグ・エンゼルスで活躍する大谷翔平選手の存在か。主将の及川温大(あつひろ)君(3年)と4番の小野寺颯斗(はやと)君(同)の出身は県内の奥州市。大谷選手が卒業した中学校に通っていた。
及川君の中学のクラスでは全員が好きな選手に大谷選手の名をあげるほどだった。小野寺君は「礼儀正しい生徒だったと先生から聞いた。考えてプレーする姿が素晴らしい。尊敬する選手です」。県内の花巻東で活躍し、プロ野球で「二刀流」。大谷選手の活躍は地元の少年を刺激した。
2人は小学生の少年野球団で一緒だった。高学年の頃、小野寺君は及川君の打撃を見て「飛ばす力は温大が上。打てなきゃダメだと思った」と奮起。1日400本の素振りを重ねた。ともに小6で練習生として大谷選手と同じ一関リトルシニアの門をたたき、競い合うように力をつけた。中学で軟式と硬式に分かれたが、盛岡大付で再びチームメートになった。
2人のように力をつけた県内勢と、県外勢とがうまく融合した今年のチーム。及川君は「県内外の選手がいることは最初から意識していない。ただ、『日本一』と全員の目的がはっきりしているのでチームワークはいい。夏も必ず甲子園に出場したい」と話した。(御船紗子)