プロ野球は29日、セ・パ両リーグが「平成最後の開幕戦」を迎える。球界再編や史上初のストライキなど、プロ野球にとって激動の時代だったこの30年。1989年の「平成最初の開幕戦」は、どうだったのか。時間を戻してみよう。
ロッテ藤原が1番・中堅 開幕先発、高卒新人で14人目
開幕日、阪神藤浪は2軍で居残り練習 フォーム再構築
当時の開幕日は4月8日で、デーゲームとナイターが混在していた。あいにくの悪天候で、6試合のうちセ・リーグ1試合とパ・リーグ2試合が中止。最も早く始まったのは午後1時から東京ドームで行われた巨人対ヤクルト戦だった。
原が2打席連続弾
当時の巨人は1番にDeNA前監督の中畑、4番に現巨人監督の原が座り、先発投手は桑田。対するヤクルトは1番を現日本ハム監督の栗山が務め、開幕投手は横浜の監督や巨人などでコーチを歴任した尾花という顔ぶれだった。試合は原が2打席連続本塁打を放つなど巨人が6―2で快勝。桑田が完投勝利を挙げた。
パ・リーグで唯一行われたのは日本ハム対ダイエー。巨人戦が行われた直後の午後7時から東京ドームでという、今では見られない珍しいスケジュールだった。前年に南海がダイエーに球団を売却。福岡に本拠を移して迎えた最初の試合で、ダイエーは4―3とリードを奪ったが追い付かれ、九回にプリンスホテルからドラフト1位で入団した新人の中島にサヨナラ2ランを浴びた。
パは1厘差V
こうして幕を開けた平成最初のペナントレース。セ・リーグは巨人が2位広島に9ゲーム差を付けて優勝。パ・リーグは、1日遅れの9日に行われた「開幕戦」でオリックスに0―8の完封負けを喫した近鉄が、9年ぶり3度目の優勝を飾った。2位のオリックスとは勝率でわずか1厘弱の差というデッドヒートを繰り広げたシーズンだった。(松沢憲司)