「令和」の典拠となった万葉集の一節の舞台とされる福岡県太宰府市。新元号ゆかりの地として一躍脚光を浴びている。
新元号は「令和」(れいわ) 万葉集典拠、国書由来は初
「令和」どう思う?「堅すぎますね」「災害ない時代に」
【詳報】新元号「令和」発表の一日をタイムラインで
「おめでとう」「太宰府すごいじゃないの」。市民グループ「大宰府万葉会」の松尾セイ子代表(80)の携帯電話には、全国の万葉集研究者や愛好家から祝辞が寄せられた。
大宰府万葉会は、奈良時代の歌人、大伴旅人が730(天平2)年に自邸で開いた「梅花の宴」を再現する活動を20年以上続けてきた。手作りで再現した当時の衣装に身を包んだ市民らが、「令和」の典拠となった序文に始まり、32首の梅花の歌を朗唱する。旅人邸は現在の太宰府市にあったとされるが、詳しい場所ははっきりしない。
松尾さんらは万葉集ゆかりの地を紹介するツアーも開き、参加費などをもとに旅人ら万葉集の歌碑を建ててきた。「万葉集の多くの歌に詠まれている通り、令和の時代も、優しさや思いやりにあふれる時代になってほしい」と願う。
旅人邸が近くにあったとの説がある市内の坂本八幡宮にも旅人の歌碑がある。宮司の御田(みた)良知さん(59)は「約1300年前の宴が新元号のベースとなったのは、光栄なこと」。氏子会の木原一臣会長(79)は「梅花の宴はおぼろげに知っていたが、これから勉強せんといかんばい」と話した。神社では7日に春の祭りを行う予定だが、新元号についても祝うことを考えているという。
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