太平洋戦争で激戦地となった硫黄島(東京都小笠原村)で23日、日米合同の戦没者慰霊追悼顕彰式が開かれた。戦死者は日本が約2万1900人、米国は6821人とされる。遺骨の収集を所管する根本匠・厚生労働相は「日米は友好の絆を更に深いものとし、悲惨な戦争を繰り返さないため一層努力することを誓う」とあいさつした。
追悼式は日米それぞれの硫黄島協会が主催。1995年に始まり、2000年以降はほぼ毎年開かれている。
硫黄島の戦いを率いた栗林忠道中将(後に大将)の孫で、遺族代表の新藤義孝・元総務相(自民党)は「この島の遺骨収集はいまだ5割に届かず、1万1千人余りの方々が眠り続けていることを多くの皆様に知っていただきたい」と述べた。米側代表として出席したロバート・ネラー米海兵隊総司令官は「我々が毎年この地に集うのは、かつて敵同士だった日米の友好を更に発展させるためだ」と強調した。
硫黄島では、45年2~3月にかけて旧日本軍と米軍が激しい戦闘を繰り広げた。厚労省によると、島内には約1万1450柱の遺骨が残されており、収集のための調査が毎年実施されている。18年度は42柱が新たに見つかったという。(鬼原民幸)