(4日、楽天11―2日本ハム)
最善の手は何か――。考え続ける日本ハム・栗山監督の戦術はこの日、勝利には結びつかなかった。
楽天に2連敗で迎えた試合で、3月29日の開幕戦に中継ぎ登板していた斎藤を先発マウンドに送り出した。昨季から大リーグで用いられている「オープナー」のような戦い方だ。
あえて中継ぎ投手を先発させ、本来の先発投手を2番手に据える。打者一巡、あるいは短いイニングを任せ、2番目に投げる投手の負担を軽くするのが狙いだ。回を追うごとに先発投手が打者に適応されやすくなることを踏まえている。
しかし、斎藤は一回に楽天打線につかまった。1番田中に安打を許したあとに二盗を決められ、2番茂木の二塁打で失点。さらに2死二、三塁となり、6番銀次に2点適時打を浴びた。
「先発の気持ちなのか、中継ぎの気持ちなのか。ポジションは関係なく一回一回、打者一人一人と意識して投げた。2、3失点目は防げた」と斎藤は悔やんだ。二回は2死までこぎつけたが、2巡目の田中に四球を出したところで降板した。木田投手チーフコーチは「予定通り」と言った。
後手に回った試合は2番手上原が五回まで無失点に抑えたが、六回に失点。救援した鍵谷も打ち込まれ、大敗した。試合後、栗山監督は斎藤の起用法については「考え直す。洗い直す」と話した。
この楽天3連戦の1戦目では、先発もできる加藤とバーベイトが3回ずつ投げる起用法をとった。2人はオープン戦期間で十分なイニング数を投げておらず、「助走」を設けた。先発候補のマルティネスが故障している事情もある。投手陣のやりくりには開幕直後から頭を使い続けている。
栗山監督は「まだ野球には可能性がある。その可能性を探り続ける。監督をやっている間は探り続ける」と言った。相手打者のデータに基づく極端な守備配置に続く、変則の投手起用。大谷(エンゼルス)の二刀流を実現させた探求者の挑戦は続く。(坂名信行)