(2日、プロ野球・楽天3―1日本ハム)
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試合開始時の気温は3度弱。吹雪で中断するほど過酷な条件でも本拠開幕戦を見続けた楽天ファンに、ご褒美が待っていた。
1―0で迎えた八回1死三塁。浅村がフルカウントから、ど真ん中にきた129キロのフォークを強振。打球はギリギリで左中間席に飛び込んだ。西武から移籍後、第1号となる2ラン。ベンチでは平石監督までが大きなしぐさで喜んだ。日頃は冷静な28歳も、珍しく右手を突き上げ、満面の笑みで仲間とハイタッチを繰り返した。
「早く楽天で本塁打を打ちたかった。いい場面で、いい結果になった」
昨季の打点王でも、平石監督は「アサ(浅村)には数字は求めていない」と言い切る。では、何を求めているのか。それは「お手本」になることだ。
その好例が四回無死二塁の場面。浅村は無理に引っ張らず右方向に転がし、二ゴロで走者を三塁に進め、続く島内の先制適時打を演出した。「1死二塁より、1死三塁の方が島内さんが楽に打席に入れる。チームのためにという意識」と浅村。指揮官も「中心になるアサがああいう打撃をしてくれると、他のみんなも影響される」とうなずいた。
昨季は20勝49敗とからっきしだった本拠戦。仙台での幕開けを最高の勝ち方で飾り、楽天がスローガン通りの「リスタート」を切った。(松沢憲司)