日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)がオマーンの販売代理店に不正に支出させた日産資金を私的に流用したとされる会社法違反(特別背任)事件で、販売代理店からレバノンの投資会社「GFI」に送金する際、複数の口座を経由させていたことが関係者への取材でわかった。東京地検特捜部はこの投資会社を前会長が実質的に保有していたとみており、資金の還流を隠すための偽装工作だったとみている。
カルロス・ゴーン もたらした光と影
関係者によると、還流した資金の一部は、GFIからゴーン前会長の息子が起業した米国の会社に流れていたとみられる。特捜部は、米国司法当局に捜査共助を要請し、検事を派遣。米当局を通じて息子の会社の口座を解析するなどし、資金の流れを調べるとみられる。
特捜部などによると、前会長は…