成田国際空港会社(NAA)は10日、放射性同位元素「ニッケル63」を内蔵した機器の部品1個が所在不明になったと発表した。放射線障害防止法に基づき、同日までに原子力規制委員会と千葉県警成田国際空港署に報告したという。「放射線量は極めて小さく、人体への影響はほぼない」としている。
NAAによると、紛失したのは、旅客や旅具の検査場で使う「拭き取り式爆発物検出装置(ETD)」に装着される「IMSセル」と呼ばれる部品(縦16センチ、横・厚み各10センチ、重さ2・5キロ)。古くなったETDの廃棄手続きをしていたところ、1台にIMSセルが装着されていないことが4日に判明した。
2017年3月に、故障したこのETDを点検した際、ETD本体からIMSセルを取り外し、本体と同じ第一旅客ビルの保管倉庫内の棚に置いたが、18年7月に倉庫を別の場所に移した時にあったかどうかは確認できていないという。
倉庫は部外者が立ち入ることのできない場所で施錠されている。倉庫内の物品で廃棄した物は記録しており、NAAは「廃棄して空港外へ出たことはないと考える」としている。(福田祥史)