厚生労働省は10日、昨年9月時点で常勤の介護職員の平均給与は月額30万970円で、前年同期より1万850円増えたと発表した。同省は昨年度行った介護報酬引き上げの効果などとみるが、全産業平均と比べると約6万5千円低い。
調査は昨年10月、1万670の介護施設・事業所を対象に実施し、7908施設・事業所(約74%)から回答を得た。平均給与月額には賞与なども含まれる。
厚労省は、平均給与が上がった要因として、3年に1度の介護報酬改定により介護報酬が0・54%引き上げられたことや、人材不足で有効求人倍率が全国平均で約4倍と高止まりしていることなどを挙げる。
政府は今年10月、消費税引き上げによる増収分1千億円と介護保険料1千億円の計2千億円を使った臨時の報酬改定を予定している。一定の要件を満たした事業所を対象に、10年以上の経験を積んだ介護福祉士のうち少なくとも1人について月約8万円以上賃上げする加算を設ける。(山本恭介)